みんなに親しまれてきた老舗のパン屋さん

けいたん

2013年06月03日 09:00

随分前に、シナモンクロワッサンを紹介した、福岡・大名の老舗パン屋さん『ボンジュール』

実はその数ヵ月後、突如として一時営業休止。おじちゃんが病気で入院されてしまったのです。その後、回復を目指してリハビリに励まれてることが、新聞に掲載されていました。

その間、店にはお詫びがあり、常連さんが紙切れにメッセージを添えて、貼り付けていくということがありました。
無事に退院されたものの、安静にしておきたいということで、もう無理だろうなーと思ったとき、ふたたび再起!
営業再開は、つい数ヵ月前にやってきました。

しかし、いままで通りにはいかず、日曜日と月曜日は定休日とし、営業時間も18:30までとなりました。
そして改めて、体力の限界ということもあり、5月末で本当の閉店を迎えることが掲示されました。
(その後、6月1日までに修正されました。)




夕方には、クロワッサンなどパンが売り切れる日々。
最終営業日が近づくたびに、昼にはもうなにもないということが続いてきます。


そして迎えた、6月1日。雨。


朝から雨のなかで行列ができていて、自分が来たときには、クロワッサン類はすでに売り切れでした。
ということで、次の焼きたてメニューのフランスパン系を買いました。


ガーリックフランスと、レーズンがたっぷり入ったレーズンフランス。
午後には、メロンパンが焼き上がるので、青木堂などで時間を潰して、こちらも並んで買いました。






落ち着いてきたところ、お店の前に出てきたので、ボクもおじちゃんとお話しいたしました。
大名のこの地に来るまでは、なんと新天町商店街の地下のファーボに構えていたんだとか!
それは知らなかったです。合わせて30年近くもパンを作り続けたことになるのです。物心ついた頃には、すでにこの地にて買った記憶しかないです。




実は前夜、大名なうな有志で、魔法の看板屋さんが作ったキャンバスに寄せ書きをしていくという企画がありました。
自分ももちろん書いてきたのですが、華世姐こと山本華世さんも書かれているではないですか!これにはびっくり!華世さんも若い頃からお世話になっていたとのことでした。



寄せ書きというより、それぞれの思い出が詰まったものが出来上がりました。
気づけば1時を過ぎていましたが、ボンジュールの前を通ると、すでにシナモンの匂いがしていました。パン屋の仕込みは早いと痛感。
この寄せ書きは、昼過ぎに、子供たちからおじちゃんへと渡されて、本当にみんなに親しまれてきたパン屋であった瞬間でした。





閉店時間までは立ち会えませんでしたが、周囲の光景が若者向けのショップなどに変わり行く姿を見てきた、街のパン屋さんとしての歴史は閉じました。
かつては近所に、公衆浴場(銭湯)もありましたし、いま思えば、幼い頃を思い出します。

もう、大名のこの地からパンが焼き上がる匂いがすることもないでしょうね。
寂しいですけど、いつかまた…来世くらいには。





山田さん、お疲れさまでした。
そして、いままで美味しいパンを、ありがとうございました!

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